2013.1.15 「原発事故をよく知るための本」(青木高志 著)が刊行されましたタイトル:「原発事故をよく知るための本」(A5版、255p)著者:青木高志(科学ジャーナリスト) 発行元:牧歌舎 発行日:2013年1月15日 定価:¥1,680 購入方法:全国主要書店、アマゾン(amazon.co.jp)、Yahoo!買い物ナビゲーター、楽天など 著者のことば 2011 年3 月、私たち日本人は、未曾有の原発震災を経験しました。福島原発事故は、まだ収束とはほど遠い状況です。事故の影響は、セシウム137 が環境から消え去るまでの100 年以上にわたってつづくと思います。 インターネットを含めメディアでは、事故についての情報や報道があふれています。しかし、いったいどれが正しいのか、判断にまようことがたびたびです。政府発表も十分なものではありません。 そこで科学の眼で理解することを目的に、まず、原子力発電(原発)の基本的なしくみと問題点を取り上げました(1、2 章)。また、日本列島を襲う地震について、原発との関連を取り上げ、わかりやすく解説しています(3 章)。 世界でおこったおもな原子力事故をふりかえり(4 章)、福島原発事故(5、6、7 章)とその影響(8 章)について、2012 年8 月までの推移をまとめました。その上で、私たちが、生涯にわたり放射線被ばくリスクと、どのように向き合うべきかを考えます(9 章)。最後に、将来の基幹エネルギーとして期待される、高温岩体地熱発電を紹介します(付録)。 本書は、おもに、高校生、大学生、大学院生、子育て世代など、将来をになう皆さんや、家族の健康管理に責任を持たれる方々を対象にしています。また、いろいろ批判はあるかと思いますが、社会的影響力のある立場の方々も、基本的な情報をくみ取られた後で、さらに、専門書などで知識にみがきをかけてほしいと切望してやみません。 内容紹介 はじめに 第1 章 日本の原子力発電 1.1 原子核はぼう大なエネルギー源 軽水炉における核分裂反応 /ウランの核分裂エネルギー /ぼう大な崩壊熱 /アクチノイド、マイナーアクチノイドとは 1.2 ウランを燃やす軽水炉 軽水炉の種類 /沸騰水型軽水炉(BWR)のしくみ /炉心部は巨大な湯わかし装置 /圧力容器まわりの冷却システム /改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)のしくみ /加圧水型軽水炉(PWR)のしくみ 1.3 軽水炉用ウラン燃料 ウラン燃料ができるまで /炉心に90トン以上のウラン燃料 /使い終わった燃料のあとしまつ /MOX 燃料を燃やすプルサーマル運転 1.4 プルトニウムを燃やす高速増殖炉 燃やしながらプルトニウムを増殖 /原型炉「もんじゅ」/「もんじゅ」のナトリウム火災 /先進国では開発とり止め 1.5 原発の安全対策 放射線への対策 /地震への対策 /津波への対策 /定期検査 /ストレステスト 1.6 日本のエネルギー別発電量 第2 章 課題山積の核燃料サイクル 2.1 燃料のリサイクル、再処理 増えつづける使用済み燃料 /日本における再処理 /核燃料サイクル開発の現状 2.2 低レベル放射性廃棄物のゆくえ 低レベル放射性廃棄物とは /低レベル放射性廃棄物埋設センター 2.3 危険な燃えカス、核のゴミ ガラス固化体とは /見とおし暗い最終処分場建設 /ガラス固化体にかかわる問題点 第3 章 地震大国と原発 3.1 世界の地震、日本の地震 3.2 地震がおこるメカニズム 3.3 日本における過去の大地震 3.4 大地震の予知は可能? 常時監視がカギ /必ずやってくる首都直下地震 3.5 地震列島に林立する原子力施設 3.6 老朽化がすすむ日本の原発 3.7 あやうい原子力施設 新潟県中越沖地震におそわれた柏崎刈羽原発 /東海地震の震源に建つ浜岡原発 /原発ひしめく若狭湾 /核燃料サイクル基地、青森県下北 第4 章 おもな原子力事故 4.1 トラブルの評価尺度 4.2 スリーマイル島原発事故 4.3 チェルノブイリ原発事故 4.4 「もんじゅ」ナトリウム火災 4.5 東海村JCO 臨界事故 4.6 そのほかのおもな事故 第5 章 福島原発事故 ― 「レベル7」への軌跡 5.1 あの日、原発で何がおこったか 5.2 1 号機はこうして水素爆発をおこした もしも冷却機能が失われたら? /水素爆発にいたるまで /メルトダウンは防げた? 5.3 2 号機と3 号機でもメルトダウン 5.4 3 号機では再溶融 5.5 運転が停止していた4 号機、爆発はなぜ? 5.6 拡がる放射能汚染水 5.7 住民の避難 避難、そしてまた避難 /公表されなかったスピーディ情報 5.8 遅すぎた判断、「レベル7」 第6 章 福島原発事故 ― 深刻化する環境汚染 6.1 事故処理の工程 6.2 増えつづける高濃度汚染水 6.3 拡大する汚染地域と新たな住民避難 公表された環境汚染地図 /プルト二ウムとストロンチウムによる汚染 6.4 小中学校にみる被ばく低減化への取りくみ 6.5 汚染の拡がり - 南関東にもホットスポット 放射性プルーム /土壌汚染と汚染地図 /ホットスポットはこうしてできた 第7 章 福島原発事故 ― 収束に向けて 7.1 事故半年後の原子炉の状況 下がり始めた原子炉温度 /燃料プールで循環冷却 7.2 放射性物質の漏れ対策 7.3 ステップ2 完了と廃炉へのシナリオ 原発の廃炉とは /福島原発の廃炉完了は2050 年代 7.4 避難区域の見なおし 7.5 気になる除染への動き 20 km 圏外で除染始まる /高線量地域の除染 /除染における問題点 7.6 ふくらむ賠償金額と事故処理費用 7.7 終わりの見えない収束 第8 章 原子力政策見なおしへの動き 8.1 総理大臣、浜岡原発の停止を要請 8.2 原発依存体制への批判 8.3 明かされる原子力ムラの実態 原子力マネー /原子力行政スキャンダル /原子力委員会で「秘密勉強会」 /原子力ムラに見る天下り 8.4 事故調査から浮かび上がった新事実 四つの事故調査委員会 /国会事故調 8.5 原発全面停止と混迷した再稼動 8.6 新設の規制委員会は、独立性を維持できるか 第9 章 放射線被ばくを避けるために 9.1 原発事故で放出された放射性核種 9.2 放射線被ばく 被ばくとは /被ばく量の見つもり方 /外部被ばく /内部被ばく 9.3 食品の放射能汚染 飲用食品 /農作物 /肉と魚 9.4 食品からの内部被ばくを避けよう 汚染食品からの内部被ばく量 /安全・安心の食卓のために 付録 地熱発電 1 現状と課題 2 地熱バイナリー発電 3 地熱バイナリー発電開発の現状 4 脱原発の切りふだ、高温岩体地熱発電 4.1 高温岩体地熱発電とは 4.2 開発の現状 あとがきに代えて ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 2019.07.31 東電福島第二原発の廃炉 正式決定、40年以上続く作業か読売新聞ニュース東京電力ホールディングスは31日、福島第二原子力発電所(福島県楢葉町、富岡町)を廃炉にすることを取締役会で正式に決めた。2011年の福島第一原発事故後、福島第一原発と同様に廃炉を求める地元の声に配慮した。 2019.07.06 謎に包まれた「セシウムボール」の脅威2019.03.12 20年前の想定外、東海村JCO臨界事故の教訓は生かされたのかYahooニュースJCOの2人の作業員は、ステンレスのバケツと漏斗(ろうと)を使って、大量のウラン溶液を沈殿槽に流し入れていた。その槽は臨界を起こしやすい形状。流し込まれた溶液は、制限値を大幅に上回る、臨界を起こす質量だった。2人は危険性を知らされずに作業していた。 午前10時35分、臨界。 その瞬間、中性子線とガンマ線が二人の体を突き抜けた。 |